処女作(タイトルなし)(2015年7月6)
僕は泣いている。理由はない。ただ悲しいだけだ。どうして?
わからない。社会のせいかもしれない。
こんなことを言っているからまた悲しくなってくる。
もう少しで屋上に着く。長い長い階段を登り切った先に幸福が待っている。
ずっとこの場所に辿りつきたかった。
ここは5階建ビルの屋上。たぶん綺麗なエンドロールが待っている。
エンドロールは僕1人。
僕はジャンプを決める。誰よりもすごいジャンプを。
さあ、足を滑らせろ。靴を脱ぐな。自殺なんてしていないように見せろ。
フェンスがなかったから僕が落ちた、そんなプロットを作れ。
これから先も生きていく人に迷惑をかけるな。
さてと屋上は朝降っていた雨できちんと律儀に濡れている。
最高の舞台が揃っているのだ。
僕は胸ポケットから吸ったこともない煙草と使ったこともないライターと取り出した。
もちろん演技のためである。シナリオはこうだ。
会社で休憩にタバコを吸いに行こうとして屋上に行き、足を滑らして、落ちて死亡。
僕がスモーカーかどうかを知らない奴らしか会社にいない。
この計画はたぶん大丈夫だ。
・・・
タバコに火をつける。足が滑る。
その瞬間なんとも言えない感覚が体を襲った。
体が浮いている。
なんとも言えない感覚だ。
走馬灯が見えている。
走馬灯に出てきたのは、彼女でも両親でもなかった。
仲が良かったホームレスの男だった。
昔彼と日本酒を分け合ったっけ?
つまみは話だった気がする。
彼は元気だろうか。
・・・
雑居ビルの下から悲鳴が聞こえる、誰かが通報をしている。
そんなことをしなくてもいい。
僕は眠るだけだ、この悲しさを忘れるために…
胸に残るこの蟠りを取り除くために…
そして、この世を恨み、その性根だけ永遠に誰かに引き継がれていくのだろうか、否僕は僕で他人は他人こんな気分に察せる社会があるかぎり、俺みたいな人間は無数にいるだろう、
負け犬はここで考えるのをやめた、助からない体を救急車が攫っていった
いや、稚拙や、、、処女作やから許して?描いたの小5あたりよこれ8年ぐらい前か、こんなもん描いてるとか小寝腐って嫌がる笑笑