the Xmas story〜聖夜に運ばれた幸せ〜
1、海斗
僕はサンタさんを信じている。でもクラスの子達はそうじゃないみたいだ、親にクリスマスプレゼントに何をもらったかを話している。でも僕はサンタさんにもらうから今日の夜にプレゼントをもらう。
「海斗は何をもらうんだ?」と友達が聞く。
「今晩にサンタさんが届けてもらうまでわからない。」と僕は応じる。
「サンタさんだってよ、お前そんなものおると思ってるのか?馬鹿じゃないのか?」と僕の友達は笑い飛ばす。
「サンタさんだってよ、可愛いねー、まっ父親がいないからしょうがないか、プレゼント買ってもらえないもんね、じゃあな俺らクリスマスに買ってもらったこのソフトで遊んでくるから、せいぜい今日の夜サンタさんに会えることを楽しみにしとけよ」といい友達は笑いながらさっていった。僕に父親がいないわけではない、たんしんふにんってのをしてるらしい。前にお母さんが言っていた、あなたのお父さんは遠くのほっかいどうというところであなたのために頑張ってるんだと。
そしてサンタさんは絶対いる。だって25日の朝になったらプレゼントが学習机の上に置かれているんだもん、僕が机の上にココアを置いていたら毎回飲んでくれてるんだもん。
僕はとぼとぼと家路を辿る。
「ただいま、ねえ母さん、本当にサンタさんはいるの?」
「おかえり海斗、いきなりどうしたんだい、サンタさんは北の方にいるよ、いい子にしてたらプレゼントをくれるじゃない、本当にどうしたんだい?」
「友達がサンタさんなんていないっていうからさ、プレゼントは親が買ってくれると言ってたから…」
「そういうことだったのかい、いいかい海斗サンタさんは信じない子にはプレゼントをあげないんだよ、サンタさんを信じて1年間いい子にしてたらプレゼントをくれるんだよ」
「じゃあ今日もいい子にしてるよ母さん、夕食作るの手伝おうか?」
「いいから、さっさと宿題してきな、できたら呼んであげるから」
僕は誇らしかった、僕達にとっての絶対である大人がいるといったんだから。
そして僕は決めた、サンタさんを信じていない子とは話すのをやめよう、サンタさんにはきて欲しいから。
「海斗、ご飯よ、今日はクリスマスだからお母さん特製のレッグとチキンライスだよ」
「本当?やったぁー、チキンライス僕大好き」
「そういえば、お父さんいつ帰ってくるの?」
「27日って言ってたよ、年明けたら旅行でもいくかい?」
「うん、お父さん久しぶりだなー、僕ねお父さん帰ってきたら100点のテスト見せる!お父さん喜んでくれるかな?」
「喜んでくれるんじゃないかな、お父さんも海斗の成長が嬉しいと思うよ」
「「ごちそうさまでした!」」
「じゃあお母さん、もうちょっとたったら寝るね、サンタさんきて欲しいから」
「そうかい、じゃあおやすみ海斗」
僕はサンタさんがくるといいと思う、僕はサンタさんを信じているから、サンタさんは子供に夢を、希望を、優しい気持ちを与えていると思う。
2、両親
時はたち、海斗がねて2時間後、家の鍵が回り鍵が空いた、泥棒なんかではない海斗の父親が海斗には秘密で帰ってきたのだ。
「ただいま、久しぶり」
「しー、静かに、お父さん久しぶりね、仕事はどうなの?」
「ぼちぼち、よくもないし悪くもないよ、久しぶりに手料理食べたいけどないかい?」
「そういうと思ってチキンライスとレッグを置いておいたわよ」
「そう、これだよ、毎年楽しみにしている、でももしかしたらこっちの会社で働けるかもしれない」
「本当に? それが海斗にとっての最高のプレゼントだわ、そういえばプレゼントは何にするの?」
「海斗はコンポを欲しがってんだろ?でもお金がね…しかも一台家にあるからさ、ポータブルミュージックプレイヤーでどうかと思って買ってきたんだけど…」
「喜ぶわよ、彼友達にサンタはいないって言われて落ち込んでたもん」
「そうかじゃあ届けに行ってくるか、サンタの服は出しといてくれたかい?」
「ほら、これでしょ」
「助かるよ」
「じゃあ行ってくるね」
彼は階段を上がる、サンタの服は動きにくい、そして階段でこけそうになる。
彼には楽しみがある、成長した息子の顔を見ることである。
ノブを回す、ピンと張られてた糸が緩む、彼はしまったと思った、仕掛けが発動してしまった。
棒が跳ね上がって鈴がりんりんとなる。
彼が目を覚ます、
「あれ、サンタさん?」
「Marry Xmas!」彼は半ば投げやりに叫ぶ、うまくやらないと息子の夢を壊してしまう。
「本当のサンタさんだ!サンタさんは実在したんだね。」
「はっはっはっ、そうに決まってるじゃろ、じゃないとそんな話なんてできないに決まってるじゃろ、ほら1年間いい子にしてたからご褒美だぞ、海斗の欲しがってたコンポはもう家にあるからなポータブルミュージックプレイヤーだ、両親に入れてもらえよ」
「ありがとうサンタさん、サンタさんに少し時間はある?」
「少しだけじゃがな、わしを待つ子供がまだたくさんいるから長居はできんがどうしたんじゃ?」
「どうして、サンタさんを信じない子にはプレゼントをあげないの?」
「それはの、わしらはあげたいんじゃが信じてないこの欲しいものはわからないんじゃ、その代わりそういう子は親の人が買ってくれてるじゃろ、わしらはな親の人に伝えてるんじゃ、お子さんが信じてくれないからプレゼントを届けれないと。本当は届けたいんじゃがな…」
「そっか、ありがとうサンタさん! 大切に使うね」
「そうか、優しいんじゃのう海斗は、ではの」
「ふう疲れた」
「お疲れ様、このまままた北海道に戻るの?」
「そのつもりだよ、27の昼には戻ってくるよ」
「そう、じゃあまた今度」
「じゃあ」
彼は家を出る、車に乗る、そして走り去る。
彼は途中で止まって空を見た鈴を鳴らしながら飛んでいるそりを見た、そしてサンタが彼に海斗はもうサンタを信じていないと言われた時のことを思い出した、彼の息子はサンタの跡をつけていたのだろう、だから信じていない、でも信じているふりをし続けている。
そして彼は思い出した。サンタが残していったクリスマスプレゼントを、彼は信じていない子に何もあげないわけじゃないことも。
たしかにサンタのジジイは言っていた。
「この子には一生分の幸せを与えておこう」とそして、彼は気づいていた、サンタを信じている間は幸せがある、でも信じなくなるとその幸せが消えてしまう、その代わりに違う幸せを得るのだ。
彼は自分がサンタでないことを知っている、でもかれは今年は遅れたクリスマスプレゼントを贈ることができるとしっている。
「サンタは幸せをあげるものだ、そして壊れやすいのがteenage dream」、彼はそう呟いてまた車を走らせる。
3、after the Xmas
「お母さん!サンタさんがプレゼントをくれたよ!」
「そうかい、なんだったんだい?」
「うーん、音楽聴くやつ」
「よかったじゃないかい、父さんが戻ってきたら音楽入れてもらうかい、おい海斗何か落ちてきたよ」
「あれなんだろう、この紙、手紙?」
拝啓 海斗くんへ
毎年毎年私たちのプレゼントを待っててくれてありがとう、君は毎年毎年いい子にしてるから、もう一つクリスマスプレゼントをあげよう、お父さんだ、彼はこの春からこの家に戻ってくる。それがもう一つのクリスマスプレゼントだ、楽しみに待ってな。
もう一つ、いいことを教えてあげよう、サンタというのはな、幸せを運ぶものだ、プレゼントをあげてるわけじゃないんだぜ、プレゼントをあげることによって幸せを運んでいるんだよ、サンタがいないっていう子にとってはそれが幸せだ。幸せっていうのはその人によって違うんだよ。
そのことを知ってまた一歩踏み出しな海斗、遠くから見守ってるからな!
敬具 サンタ一同
「だってさ、母さん」
「よかったじゃない海斗、サンタさんからの手紙なんて母さんも父さんももらったことないわ、そして父さんが帰ってくるだって、よかったじゃない、いい子にしてたら来年も幸せを受け取れるよ、いい子にしな海斗」
「うん、お母さん!」
そして今年も街に幸せを残してサンタは帰っていった。
去年のクリスマスに書いたものですね
タイトル「クリスマスの夜には何かが」って予定やったけど、、、、
変えました
そしてこの小説を書くにあたって協力してくれたシャム姉さんほんまにありがとうございました、連絡取り合えないけど、一生忘れません、あなたのおかげで今の自分があるので